25年ほど前に東北出身の同僚に南部鉄の風鈴をもらった。宿舎のベランダにかけてたら、潮風でギンギン鳴り響きやかましくて、夜は取り込んだ。という記憶がある。
やがて台風の季節にどこかに飛んでいった。
風鈴に南部の空を恋しがり 洲外
今は西瓜も大きいのは嫌われて小玉西瓜が多くなった。夫婦二人ならそんなものかと満足していたが、先日大玉の西瓜を買って井戸で冷やして食べたら、ぜんぜん味がちがう。甘さの深みというやつだな。それと水気の質もちゃう。
縁側で冷やし西瓜に塩を振り 洲外
行水かあ。行水をする場所もなくなったし、なにより、エアコンが普及したので自然をつかって涼をとることがなくなった。
行水や塀の向こうは人だかり 洲外
白玉ねぇ。懐かしいな。氷菓のたぐいはコンビニにあふれていて白玉の出番はなくなった。手間暇かけて作るようなこともする人はいない。もう食べることはないのかもしれない。
白玉を一つ掬うて君の口 洲外
夏は俳句だな