2011年12月2日金曜日

当季雑詠・冬の句

友情は宅配便の柳葉魚なり

いただいた柳葉魚の箱に手を合はす

石炭を見たことのない産炭地

湯豆腐の旨くなる頃電磁鍋

電磁鍋豆腐の揺れる勘所

暖冬に馴れきつた頃雪が降る

枯野

東京に夢探しても枯野かな

手つかずにバブル過ぎゆき枯野かな

彼のなら何も建たない枯野なり

寒雀

ふくらんだ胸肉旨し寒雀

寒雀子どもの群を見送りぬ

2011年6月5日日曜日

当季雑詠・夏の句

東京に帰るんだよと夏芝居

ふりむけば蜜柑の花が咲いてゐる

青草・夏草

青草によこたはる君虫の息

夏草や夢を見てゐた膝枕

端居

省エネがきびしくなりぬ端居かな

節電の厳しき辛卯端居する

端居して東日本を支援する

節電のおかげで粋に端居かな

2011年4月10日日曜日

白樺の花咲く頃や便りあり

蛭を喰ふ俳句読みけり野蒜茹で

蒲公英や昔と変はらぬ色遣ひ

鼻声や杉花粉舞ふ地方選

朝寝

朝寝する君にくちづけ家を出る

投票日候補決めかね朝寝かな

風を嗅ぎ光を吸ひて朝寝する

朝寝して君を思へり夢の中

朝寝して夢の感触確かめる

2011年4月3日日曜日

木の芽

アルバムに木の芽の頃の僕がゐる